再生水の国際標準化(ISO)
1.活動の意義 地球規模の渇水リスクの高まり、水市場の拡大の中で、水再利用などの分野でより積極的な国際貢献や水ビジネスの推進が求められています。その中で、我が国の優れた再生水関連技術の国際競争力の強化を目的に、関係する国際標準規格(https://www.meti.go.jp/policy/economy/hyojun-kijun/jisho/index.html)を我が国の主導で開発する取組みが官民連携して進められています。また、各国の提案による規格開発活動も活発化しており、水再利用の目的にあった優れた技術の普及が推進されるよう、規格の改善に向けた提案も必要になっています。ISO(国際標準化機構:https://www.iso.org/home.html)参照。
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2.我が国の活動と造水促進センターの取組み (1) ISO/TC282「水の再利用」(図1参照)(https://www.iso.org/committee/4856734.html) |
(2) ISO/TC282の規格開発の現状 表1に示す14件の開発中の規格に関する情報を国内の関係者に共有して意見を求めることにより、規格内容の改善、規格間の不整合をなくす調整について提案を進めています。 また、発行済の規格の普及、活用を促進するため、我が国の技術・製品提供者や関係者に向けたセミナー等の開催を推進しています。
表1 ISO/TC282(排水再利用)の発行済規格(32件)と開発中の規格(14件)一覧表 (2023年4月時点、TC:専門委員会, SC:分科委員会, WG:ワーキンググループ, JWG: Joint WG)
(3) ISO/TC224(上下水道サービス)、ISO/TC8(船舶と海洋技術) ISO/TC224/WG12「水効率管理」(https://www.iso.org/committee/299764.html)で開発されたISO 46001認証規格の活用に関する情報共有や関係者へのPR、及びISO/TC8/SC13/WG3「海水淡水化」によるISO 223446(生産水の水質)、ISO 13205(用語)の開発状況の調査や規格の改善提案、活用など対応を検討しています。
①「水効率管理」 ISO 46001(水効率管理)(https://www.iso.org/standard/68286.html)認証規格の発行後の活用状況について、開発の中心的役割を務めたシンガポールPUBや第三者認証機関に関する情報等を、引続き調査しています。また、TC282(水の再利用)の発行規格(ISO 20468:性能評価)と連携した活用について、PUBや民間企業に働きかけを続けています。
②「海水淡水化」 ISO 23446(生産水の水質)(https://www.iso.org/standard/75607.html)の発行に続き、ISO 13205(用語)規格の開発が開始されています。(ISO 13205 海水淡水化-用語Seawater desalination-Terminology)。WD(作業原案)について3回のコメント募集に対応し、関係者から意見を集め、日本として不具合を排除するコメントを提出しました。 ISO 23446(生産水の水質)の発行後の活用、ISO 13205(用語)の開発に関して、今後も、国際会議に専門家が参加する等により動向を注視しながら、関係者と協議し、日本として不具合を排除するための対応、コメント提案を継続する予定です。
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3.ISO規格の入手方法 ISOの品番をWeb.サイトにてインプットして、検索すると画面に英文でタイトル、概要、目次、参考文献、ページ数が出てきます。また、同時に購入方法が提示してあるので、それに従って規格文書を購入することができます。 なお、日本規格協会の規格・書籍・物品販売のページからも購入が可能です。
4.「水の再利用に関する」参考文献 (1)水の再利用の国際標準化活動にみる主要国の官民共同戦略と日本の課題 ~世界の再生水市場における国家戦略を考える~、下水道協会誌 2021/11 vol.58 No.709 (2)下水道展’22 東京 ISO/TC282(水の再利用)国際標準化セミナー −国際規格の活用を考えるパネルディスカッション−、下水道協会誌 2022/12 Vol.59 No.722
5.造水促進センターにおける、再生水の標準化の実績に関しては、ホームページの「造水技術データベース」(http://www.wrpc.jp/bunsyodb/)を参考にしてください。
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